そう簡単に全て撮影させないんよ・・・
昨夜は体育館内がムンムンッと蒸して立っているだけで汗掻きましたが
しっかり、顔面を殴ってきた場合のサバキバリエーションを幾通りか
テーマを決めて相対稽古しました。
芦原英幸館長と空手雑誌取材!
松山修行当時、某空手雑誌社の社員が何度も総本部道場に取材に訪れていたことがあります。
稽古中に所狭しとカメラを構え やたら稽古模様をパシャパシャ撮影が続きました。
芦原英幸館長は職員と黒帯相手にサバキのバリエーションを幾つか行いました。
普段見せないテクニックに期待寄せて道場端に全員正座して見守りました。
「芦原センセイ、速すぎてもう一度お願いします。もう一度、もう一度・・・」
余りにも速過ぎてシャッターが間に合いません。
「これでも遅いくらいやっちょるけん・・・プロのカメラマン用意しないといけんな。ヨッシャ~次は挙動ごとにゆっくりやっちゃるけん。」
稽古時間は21:00過ぎても取材は延々続きました。
芦原館長の動くサバキは全て初歩的な技術でした。
しかし、ゆっくりした動きはとても勉強になりました。やがて稽古兼取材が終わり雑誌社の方は先にドアから出ました。
「アシハラのサバキは、そう簡単に全て撮影させないんよ・・もう本にも載せないけん。今やっちょったテクニックも相当制御したんよ。情報は直ぐに流れ、雑誌に出たがり屋のセンセイ達が真似て俺が考えた技だと言い出す者が出てくるけん。そんな世の中どう思う?」芦原館長は振り返りながら話されたのです。
道場に居た私達全員は、ただ「押忍」その通りですと返事したものです。
![イメージ 1](https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/H/Hokubuken/20191111/20191111013105.jpg)
後日、何度か館長書斎に伺いましたが取材後は必ず、テーブル上に手書きの文章や写真を切り抜き、のり付けされたページを見せて頂きました。
雑誌の写真配置・サイズや一語一句までチェックされ全て自らプランを起てて居られました。
「ちょっと読んでみろ・・・この文書は?この写真のサイズは小さ過ぎると思うが如何思う?意見が聞きたいけん」
芦原館長の汗掻きながら生き生きとした笑顔、真剣な眼差しは本物でした。
鍛練は続く・・・