座頭市と石原裕次郎と芦原英幸・・・
日が暮れるのも段々と早くなり、冷たい雨が降る季節のなか、
お仕事も急ピッチになっています。
世の中、右も左も真っ暗闇じゃありませんか・・日本は狙われているのでしょうか?
嫌な話ばかり飛び交い、可笑しな情報に心踊されている気がします。
新・座頭市主題歌 - 不思議な夢 演奏:日高富明&ファイアー
好んだ芦原英幸館長を一本の点と線で結んでみました。
あらゆるしがらみから自分の位置を遠ざけ、空手の道を純粋に研究し生き抜いた姿。
剣の達人に似た静かな間合いから、放つ瞬間的な捌きの神業は憧れの的です。
繰り出す突きの打ち方は決して大振りでなしに非常に柔らかく細かく刺すように打ちます。
ヒジや脇を絞り、ストレート・フック・アッパーを変幻自在にリズミカルに突きます。
音速が後から連打で聞こえる見えないパンチを初めて見る瞬間!
自ら、捌きのテクニックを解説するカット!
芦原英幸館長も同じ人間です・・・人間臭さがちゃんとあります。
松山時代、稽古帰りにちょっと呼ばれ「ヨッ、飯行くけん!」「オッ、オス」と
タクシーで相乗り、芦原館長の隣の席で世界情勢や空手界の話題が主でした。
その後、繁華街でご馳走になり、少しホロ酔いながら歩くと直ぐ横を
長でかい外車がゆっくりと走り抜けました・・・そして4~5m先で停車。
「おうッ、何処其処組の若頭は元気じゃった?」と感高い声掛けたと同時に
黒メガネ掛けた若輩が5人ほど此方を見ながら「なんぞ?」と降りて来たのです。
当時の職員さん方から、もしものときは〇〇さん、館長の盾になり命張って
必ず守るんよ!と酸っぱく聞いていたので遂にそのときが来ちゃったと思いました。
「あれれ~違ったけん・・・〇〇組の若頭と間違ったんよ・・それじゃご苦労さん。」
アチャ~と思いながら館長の前に立つと「お前は引っ込んでろ・・・邪魔するな!」
と私の背中をパチパチ・ヴァ~ン!と拳で叩く大きな音が周辺に響きました。
「あれは芦原先生じゃ・・」とパンチパーマ頭の声が漏れ何事も無かった様に
外車に乗り込み走り去りました・・闘わずして勝つ瞬間を見たのです。
「松山はアシハラの街じゃけん!よし、飲み直さんと」と何軒か廻りましたが
何杯飲んでも、芦原館長の横では酔う訳になりません・・・
後ろから若輩が憑けているか気になっったものです。
帰りのタクシーで「アシハラだよ~家まで頼む!」「それじゃ・・お客さん、わかりませんよ」
「何、アシハラ知らない?アシハラ會館知らない・・ちょっと運転手さん降りろ!」
先程まで機嫌良かったのですが会館に帰るまでは地獄ものでした。
どんな稽古したらあの斬れ技が出来るのか?ずーっと考えていますが
達人技を研究することはリー・チョンの生涯掛けての目標であり、
その鍛練は一生続く・・・